サクラメント・キングスが2022年にタイリース・ハリバートンをトレードした決断は、当時多くのNBAファンやメディアから疑問視された。
ハリバートンは若く有望なポイントガードであり、将来の球団の柱になると見られていたからである。
なぜ、キングスは彼を放出し、ディアロン・フォックスを残す決断を下したのか。The Athleticの報道をもとに、その背景を探っていく。(引用:Sportsnaut)
フォックスを先にトレード候補にしていた?
実は当初、キングスはハリバートンではなくフォックスを中心としたトレード案をペイサーズに提示していた。
しかし、インディアナ側はフォックスに全く関心を示さず、「もしドマンタス・サボニスを獲得したいなら、ハリバートンが必要だ」と回答したという。
このやり取りにより、ハリバートンがトレードの主役へと切り替えられたのである。
ペイサーズがフォックスを拒否した理由
トレード当時のフォックスは、平均21得点・5.2アシストという数字を残していたものの、3ポイント成功率は24.8%と低迷しており、1億6000万ドルの大型契約に見合ったパフォーマンスとは言い難かった。
ペイサーズのリック・カーライルHCは、「テンポを上げ、試合を組み立てられるガード」を求めており、よりパサーとしての資質と将来性を持つハリバートンを評価したのである。
トレード後の成果とその後
キングスはこのトレードでサボニスを獲得し、2022-23シーズンにはフォックスが初のオールスター選出とカムバック賞を受賞、さらにチームは長年逃していたプレーオフ進出も果たした。
ただし、その勢いは続かず、2024年にフォックスがトレードを要求。希望先をスパーズのみに限定したため、キングスはザック・ラヴィーンとのトレードに応じた。
しかし結果は振るわず、プレーイン止まりで終了。
さらにトップ12保護付きの1巡目指名権をホークスに譲渡する羽目になった。
ハリバートンとフォックス、それぞれの今
現在、ハリバートンはペイサーズでオールスター常連かつチームの司令塔として活躍しており、
一方のフォックスもスパーズでの再出発に希望を見出している。
皮肉にも、両者ともサクラメントを離れてからキャリアが好転している状態である。一方、キングスは再び再建期へと突入する可能性が高く、トレードを決断したGMもすでに退任している。
まとめ:トレードは失敗だったのか?
ハリバートンのトレードは当初、「成功」と評価されていたが、長期的に見ればキングスにとって痛手だった可能性も否めない。
チームの将来を担う逸材を放出し、短期的な勝利と引き換えに将来性を犠牲にした形である。
今後、キングスが再び浮上するには、新たなビジョンと戦略が求められるといえる。
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