ケビン・デュラントの去就に注目が集まる中、オーランド・マジックとメンフィス・グリズリーズの間でサプライズトレードが報じられた。
トレードの詳細内容
□ オーランド・マジックが獲得
・デズモンド・ベイン
□ メンフィス・グリズリーズが獲得
・ケンタビアス・コールドウェル=ポープ(Kentavious Caldwell-Pope)
・コール・アンソニー(Cole Anthony)
・2025年ドラフト16位指名権(オーランド保有)
・2026年フェニックス・サンズの1巡目指名権
・2028年オーランドのアンプロテクト1巡目指名権
・2030年オーランドのアンプロテクト1巡目指名権
4つの1巡目指名権
(ノンプロテクト)
・2029年の1巡目指名権スワップ(※軽いプロテクト付き)
◆マジック視点:不足していた“外角と創造性”を一気に補強
オーランド・マジックにとって、今回のトレードは長年の課題だった3ポイントシュート力とオフェンスでのクリエイト力の不足を補うための戦略的補強といえる。
予想されていた“純粋なポイントガード”の獲得ではなかったが、シューティングガードであるデズモンド・ベインは高精度のシューターであり、同時に優れたパス能力を備えたクリエイターでもある。
これは、従来のKCP(ケンタビアス・コールドウェル=ポープ)とは異なる役割を担える選手であり、KCPがマジックのシステムにフィットしていなかったことを考えれば、的確なアップグレードともいえる。
ただし、その代償は決して小さくない。
若手スコアラーとして評価の高かったコール・アンソニーの放出に加え、4つのノンプロテクト1巡目指名権と1つのスワップ権は、非常に大きなトレード資産だ。
ベインの価値は高いが、今後彼がフランチャイズの柱となれるかが、このトレードの成否を大きく左右するだろう。
◆グリズリーズ視点:スタイルの変化と再構築への布石
メンフィス・グリズリーズにとっては、チームの方向性を大きく転換する決断となった。
新たに就任した“ピック&ロールを好むタイプのヘッドコーチ”の下、これまでのフロー型オフェンスからの転換を進めている。
エースであるジャ・モラントが“オフボール”でプレーする機会が少なく、ボール保持型スタイルへの回帰が見込まれる中、ベイン放出はその象徴的な動きとも取れる。
その一方で、コール・アンソニーがジャ・モラントのバックアップガードとして機能し、さらに今季活躍を見せたルーキー、ジェイレン・ウェルズを先発シューティングガードとして起用できる見通しも立った。
思わぬ若手の台頭がベイン放出を可能にしたともいえる。
また、KCPの契約にはプレイヤーオプションが含まれており、2026–27シーズンまで継続する点はやや重たいが、その“負債契約”を受け取る代わりに、グリズリーズは複数の1巡目指名権という大きなリターンを獲得できた。
◆総括:勝負に出たマジック、準備を進めるグリズリーズ
このトレードは、マジックにとっては“今勝ちに行く”動き、グリズリーズにとっては“将来の柔軟性を得る”動きと言える。
ベインの爆発力に期待するマジックと、指名権と若手でチームを再構築するグリズリーズ。
今後数年の両チームの命運を左右する一手となりそうだ。
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